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各拠点管理でセキュリティポリシーが統一されてなく管理が煩雑
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ネットワーク機器が老朽化し、脆弱性対応が困難
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ログや通信履歴の追跡が非効率で、インシデント対応にも時間がかかる
✅なぜUTMを導入するのか?〜3つの背景~
1. 分散したセキュリティ管理の限界
従来の構成では、ファイアウォール、Webフィルタ、VPN装置、ウイルスゲートウェイなどがそれぞれ独立して稼働しており、設定変更やトラブル対応に多くの時間がかかっていました。また、それぞれのベンダーが異なるため、脅威検出のレベルにもばらつきがある状態でした。
UTMであれば、単一のプラットフォーム上でセキュリティ機能を統合的に管理できるため、ポリシー設定・ログ管理・アップデートが一元化され、対応スピードが大幅に向上します。
2. 社内外アクセスの複雑化
クラウドサービス(Microsoft 365、Boxなど)や在宅勤務の普及により、社員の接続元や通信先が多様化しました。これにより、従来の「境界型防御」(社内=安全、社外=危険)という考え方が通用しなくなっています。
UTMでは、アプリケーション制御やSSLインスペクション、ユーザー単位のアクセス管理を活用することで、ゼロトラストに近いセキュリティ設計が可能になります。
3. インシデント対応力の強化
過去にマルウェア感染や外部攻撃の兆候を検知した際、パケットキャプチャやログ調査に数時間以上かかることもありました。UTMの導入により、トラフィック分析や脅威アラートの統合管理が実現し、初動対応の迅速化が期待されます。

✅社内ネットワーク見直しの全体設計
UTMの導入に際しては、単にセキュリティ機器を置き換えるだけでなく、社内ネットワーク全体の構成を再設計しました。
■ 新ネットワーク設計の概要
| 項目 | 新構成 |
|---|---|
| ネットワーク構成 | フラット構成 ➡ セグメント分割(業務・来客・IoT・管理) |
| ゲートウェイ | 単一WAN ➡ 冗長化構成(2回線+フェイルオーバー) |
| セキュリティ機能 | バラバラなソリューション ➡ UTMに集約(FortiGate導入) |
| ログ監視 | 個別確認 ➡ Syslog + UTMダッシュボード連携 |
| アクセス制御 | VLAN+ACL簡易設定 ➡ UTMでユーザー単位のポリシー制御 |
■ VLANとセグメント設計
以下のように、用途別にネットワークを明確に分割し、不要な通信はL3レベルで遮断するように設計しました。
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業務系ネットワーク(社員用PC・社内サーバー)
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来客用Wi-Fiネットワーク(インターネットのみアクセス可)
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IoT機器ネットワーク(複合機・プリンタ・監視カメラなど)
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管理用ネットワーク(サーバー管理端末・IT用PC)
✅UTM機器の選定理由と主な機能
複数のUTMベンダー(Fortinet、Sophos、SonicWall、Palo Altoなど)を比較検討した結果、以下の観点でFortiGate 100Fを採用しました。 
■ 選定理由
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高スループット・低遅延性能(ギガクラスの通信量でも安定)
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GUIベースのわかりやすい管理画面
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ファームウェア更新やパターン定義の自動化
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SSL復号・アプリケーション可視化の精度が高い
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国内サポートとベンダー体制が安定している
■ 主な活用機能
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ファイアウォール+IPS(侵入防止)
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アンチウイルス・アンチボット
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Webフィルタリング(カテゴリ・URL単位)
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SSLインスペクション(HTTPS通信も監視可能)
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アプリケーション制御(ZoomやDropboxなども対象)
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ユーザー単位ポリシー(Active Directory連携)
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スケジュールによるポリシー切り替え(業務時間制限など)
今後の運用と展望
現在、UTMの導入は多くの企業が導入しており、以下のような効果がすでに現れています。
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通信トラフィックのリアルタイム可視化
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業務時間外の外部通信を自動ブロック
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不審なアクセス元からの接続を自動遮断
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月次での脅威レポート出力・分析が可能に
今後は、支店ネットワークやVPN接続先にもUTMのポリシーを拡張し、全社レベルで統一されたセキュリティフレームワークを整備していきます。また、運用フェーズでは以下の活動も進行中です
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社員向けのセキュリティ教育とハンドブック作成
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SIEM連携によるログの横断分析
- ネットワーク冗長構成の検証と構築(HA構成)
✅まとめ
UTMの導入は、単なるセキュリティ強化にとどまらず、ネットワークの設計・運用・監視体制を見直す大きな契機となります。社内IT環境が複雑化する今、こうした「統合的な対策」が不可欠です。
今後も、セキュリティリスクを低減しながら、より快適で柔軟な業務インフラを構築していくため、経営者は費用対効果を理解する事が必要となってきます。
